フォレスト歯科クリニック

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当院で使用しているゴムのマスクの正体は!?

  • 2021.07.11
  • #豆知識
皆さん、こんにちは!

本日は、歯科治療で使用する「ラバーダム防湿」についてのお話です💡

当院に通院されている方ですと、すでに経験されている方もいるかもしれませんが、

当院では、歯の根っこの治療を行う場合、ほとんどのケースで「ラバーダム防湿」という方法を行っています。

「初めて聞いた!」という方もたくさんいらっしゃると思いますので、簡単に説明すると・・・
このようにゴムのマスクをかけて治療を行います。
(※ちなみに写真は4年くらい前の私です(笑))













では、このゴムのマスクをかけた部分はどのようになっているのか⁉️
写真のように治療を行う歯だけが隔離されるんです🦷

ラバーダム防湿で治療する歯を隔離することによって、頬の粘膜や舌が直接歯に触れることを防いでくれたり、唾液の侵入を防止してくれます。

これを行うことでどんなメリットがあるのでしょうか??

まず、「虫歯」はお口の中の「細菌感染症」です(←ここ非常に重要です(笑))

この細菌たちが、歯に穴をあけて虫歯を作ったり、その虫歯がどんどん深くなると、その菌が歯の神経まで行ってしまって、神経に炎症を起こしてしまいます。
さらに、それをそのままにしておくと、菌たちは、根の先までどんどん進んでいき、根の先に膿を作ります。
(夜も眠れないような歯の痛みは、神経の炎症や歯の根の先に膿が溜まったりすることにより引き起こされることが多いです😱)

特に、根の中(神経の管)に虫歯菌が侵入してしまうと、歯の根っこは非常に複雑な形をしているため、菌を完全になくすことは難しくなります。

つまり、細菌を感染させない環境で治療するということがとても重要なんですね💡

では、お口の中の細菌(いわゆる虫歯菌など)はどこに住んでいるのか?

歯や舌、粘膜にくっついている菌ももちろんいます。
そして、唾液の中にも大量の細菌が住んでいます。

・・・・・・このような細菌まみれのお口の中ですが、もし、治療中に唾液などが歯の根っこの中に侵入したらどうなってしまうでしょうか?
ご想像の通り、唾液の中には細菌がたくさんいますので、将来的に根の先に膿ができてしまう可能性が高くなります。
このような理由から、当院では、ラバーダム防湿を使用して、歯の根っこに細菌を感染させないような状況にして治療を行っています。

歯の根の治療の成功率を上げるためにこれはとても重要な処置と言えます。

また、実際にラバーダム防湿をして治療を受けられた方からは、「ゴムのマスクつけていた方が、治療が楽ですね」という声を多数いただきます☺️
これはおっしゃる通りで、治療中はお口の中には水が溜まらないですし、ゴムの張力のおかげなのか、頑張って口を開けていなくてもラバーダムが口を開けたままにするお手伝いをしてくれています(状況に応じて、当院では、バイトブロックというシリコン製のつっかえ棒のようなものを咬んでいただき、お口を開いているのが辛くならないようにしています)。

正直、治療を行う私自身もラバーダム防湿を行っていた方が効率よく治療を進められるので、患者様の通院回数も少なくすることができるのかなと思っています🙋‍♂️


余談ですが・・・
ちなみに、初めて行う歯の神経の治療の成功率は「90%以上」と言われています。
ですが、これは、ラバーダム防湿を行なって、適切に根の治療が行われた場合の結果です。
論文でも、ラバーダム防湿の有無で、ラバーダム防湿を行わなかったグループは成功率が低かったという報告がされています。
そして、アメリカなどの歯科先進国ではラバーダム防湿をして根の治療をすることが当たり前なのですが、日本では、ラバーダム防湿を行わず、大多数の根の治療を行われているという現状があります。このことから、日本の根の治療が再治療率は世界と比較してかなり高くなってるのも事実です。



根の治療は「感染との闘い」です。
この感染を防ぐことが、治療を成功させる第一歩となります。
加えて、当院ではマイクロスコープも併用して、裸眼や拡大鏡では見えない部分まで確認しながら、治療を行っています。

このように、治療にも力を入れておりますが、一番は根の治療にならないように
「未然に虫歯を防ぐこと」
が最も重要です‼️

何事もできることから一つずつ、やっていきましょう🎵

お悩みや心配事などありましたら、お気軽にご相談ください✨

 

Writerこの記事を書いたメンバー