フォレスト歯科クリニック

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皆さんに知ってほしい「むし歯」のこと

  • 2021.07.21
  • #豆知識
こんにちは☀️

梅雨明けして、連日猛暑日となっていますね!

水分補給をしっかりして、体調を崩さないようにしましょう✨

あっ!
でも、「夏だから!」「スポーツで汗をいっぱいかくから!」といってスポーツドリンクの飲み過ぎには注意してくださいね!!
某有名スポーツドリンク、500mlのペットボトル1本には、なんとスティックシュガー30本分の砂糖が含まれていると言われています😱

砂糖の取り過ぎはムシ歯の原因になるだけでなく、全身にも様々な影響を及ぼします💦
詳しくは、以前のブログ「お砂糖の話」をチェックしてみてください♪

また、子育てをされている方々にもぜひ読んでいただきたいこちらの記事も!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
最近話題の低血糖症知っていますか?

そして、本日の本題‼️

『皆さんに知ってほしい「むし歯」のこと』

「むし歯」と聞くと、歯に穴があいたら「むし歯」だと思っていませんか?

実は、「むし歯」は、その日にいきなり歯に穴が開いたりする訳ではないんです💦
お口の中は、下のイラストのように、食事や間食をとるたびに、pHが酸性になったり、中性に戻ったりしています。
つまり、人間の体の中で一番硬いと言われている「歯」は、

脱灰(歯の成分であるカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出る)

再石灰化(唾液の力によって歯の成分であるカルシウムイオンやリン酸イオンが歯に戻る)


を繰り返しています。
この脱灰と再石灰化のバランスが崩れてしまい、脱灰の方へどんどん進んでしまうと、歯に穴があいてしまう方向へ向かっていく訳なんですね。

『歯に穴があいたら「むし歯」』というのもあながち間違いではないのですが、とても長い時間軸で見たときには、穴があく前からすでに「むし歯」という病気は進んでいるという考え方、最近の歯科医療では当たり前になってきています。

では、「むし歯」とは何なのか⁉️

「むし歯とは、ただ穴があくことではなく、穴があくまでの出来事(脱灰と再石灰化)を含めた疾患のプロセスである」と言われています。

では、「穴があくまで」にどれだけの時間がかかっているのか!
こちらは、当院で「むし歯」について説明する時に使用している模型になります。

歯は、模型を見ていただくと、3層構造になっているのがわかるかと思います。

一番外側の白い部分・・・エナメル質 ←ちなみにエナメル質は人間の体の中で最も硬いと言われています!
エナメル質の内側にあるクリーム色の部分・・・象牙質(ぞうげしつ)
象牙質の内側にある赤色の部分・・・歯髄(しずい)

という構造になっています。

そして、
「むし歯(以下、「う蝕」とも書きます)」は大きくわけて、

①C1:エナメル質まで進行したむし歯
②C2:象牙質まで進行したむし歯
③C3:歯髄まで進行したむし歯
④C4:歯が根っこだけになってしまった状態

にわけられます。
※C1の前に、むし歯になりそうな歯を「CO」と分類することもあります。

成人の場合、
①の状態から象牙質に到達するまで、つまり、エナメル質に穴があいてから象牙質に到達するまでに約8年
象牙質に達してから、模型のような象牙質の1/2くらいまでむし歯が進行するのに、約3年
つまり‼️写真に書いてある通り、①→②の深さのむし歯なるまでなんと約10年以上かかると言われています( ゚д゚)
(※子供の場合は歯の構造が未成熟のため、もう少し進行が早いです)

これ、びっくりしませんか?

いきなり歯に大きな穴があく訳ではないということ、おわかりいただけたでしょうか?

ちなみに、当院では、「C1」の状態の歯は、よっぽどの事情がない限り、絶対に削りません

「C1」という状態は、まだ、日頃の食習慣や歯磨き習慣を見直したり、唾液の力やフッ化物(フッ素)を応用することで、進行を止めることができるからです。

また、軽度の「C2」の場合でも、患者様の状況や、虫歯ができている場所によっては、経過をみることもあります。

「え!むし歯なんだから削って治してよ!!」
と思われた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

今までのブログで何度かお話ししていますが、「削って詰める&被せる治療」=「完全に治った」ではないのです。
治した部分は、あくまで人工物に置き換わっているだけなんです。
人工物なので、やはり温かいものや冷たいもの、酸っぱいものなど様々なものが入ったり、歯ぎしりなどかみ合わせの力が加わるという過酷なお口の環境の中では、歯と人工物の境目から、またむし歯が再発する可能性があります。
(そのようなことが可能な限り起こらないように治療を行っていますが、むし歯菌達にしてみれば、くっつきやすい状況には変わりありません💦)

なので、当院では、目で視て、レントゲンで診て、患者様のリスクを見て、本当に削って治す必要があるのかどうかをよく精査し、患者様と情報を共有させていただいております。

「天然の歯に勝るものなし!」
皆さんに伝えたいのは、むし歯になるのは当たりのことではない、ということです。


むしろ、むし歯になることは珍しい、ことなんです。


歯に穴があく前に、できることがたくさんあります。
削って治す前に、できることがたくさんあります。
治療した部分を少しでも長持ちさせる方法もたくさんあります。


「歯医者」の本来の役割は、「治療するところ」ではなく、歯が病気にならないように「未然に防ぐ」ことだと当院では考えております。

ぜひ、この想いが少しでも多くの方へ伝わりますように✨

健康の入り口である、お口の健康を守りたい方を当院ではスタッフ一同、全力でサポート致します‼️

Writerこの記事を書いたメンバー